─────────────────────────────────── ■■中国地域MOTコンソーシアムメールマガジン第32号(2005年5月8日)■■  このメールは毎月1回(各月の第1週),中国地域MOTコンソーシアム関係 者の他,登録された皆様にお届けします.ホットニュースがあるときには, 号外をお届けすることもあります.  【コンソーシアム会員の連絡ご担当者の方へ】  本メールはコンソーシアム会員の連絡ご担当者にお送りしていますので, 貴社(機関)の関連する部署の方々にもご回覧していただきますようお願い 申し上げます.また,ご連絡担当者以外の方で直接配信を希望される場合に は,コンソーシアム事務局までご連絡下さい. ─────────────────────────────────── 【もくじ】 ●連載第30回「MOT一口メモ」 ●技術経営箚記【さっき】 ●MOT関連情報 ○広島大学 新技術説明会 (5/19 東京) ○第10回慶應イノベーションネットワーク (5/24 東京) ○科学技術振興調整費人材養成プログラム特別講演会 (5/26 東京) ○第5回産学官連携推進会議 (6/10 京都) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━             MOT一口メモ 第30回 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━               「元気な蔵元」  山口県北部、島根県との県境に近い町に小さな蔵元(株式会社澄川酒造場) がある。(規模は年間約700石:一升瓶で70千本程度)。この蔵元の吟醸酒 は、ダイヤモンド社の日本酒全国ランキング3位に選ばれた銘酒(東洋美人) で、業界関係者の間では評判になっています。(興味のある方は2004年10月 9日付の週刊ダイヤモンドを参照下さい)その蔵元を訪問する機会がありまし たので、経営のヒントになればと紹介します。  訪問の目的は、山陰の小さな蔵元がどうして全国ブランドになりえたのか、 その秘密を聞くためです。澄川社長に面談し、単刀直入にその理由を聞くと 「営業が苦手なので黙っていても売れる酒を造りたい」と考え、「一般米の何 倍もする高価な山田錦を使うことにした」とのこと。「山田錦は自家田でも生 産しているが、大部分は契約農家より購入している。農家と契約することで良 質の米が入手できる。」日本酒は米と水が命であり、裏山の伏流水に恵まれた こともあるが、これだけではどうも説得力に乏しい。その様な場所は日本全国 に多数あるはずである。さらに話を進めていくと、「日本酒の難しさは、造る 時の温度管理、造ったあとの保管がポイント」、「現在の品質を維持するため には、1000石程度の規模が限界」「自家田の田植えに愛好家を招待し、山 田錦の米作りを手伝ってもらっている」「自家精米による酒造米の品質確認」 などのユニークな考え方が聞けた。山口県の「中小企業経営革新支援事業」に 採択され、その資金的・税制的な支援も経営の一助になったのであろう。  いくら良い品質の酒を造っても、その販路がなければビジネスとして成功し ない。澄川酒造場の場合は、東京、大阪などの飲食店で評価され、さらに愛好 家のクチコミによる市場開拓も成功の理由である。ちなみに、販売は関東・関 西が50%、山口県が30%、その他20%とのこと。大量生産の蔵元と一線 を画し、他には真似のできない品質へのこだわり、しゃれた瓶とラベルなど、 小さな企業のきめ細かい経営と果敢に実行する執念が、山陰の地酒を全国ブラ ンドにまで引き上げた理由では、と感じました。  日本酒の市場規模が低落傾向にあり、蔵元の廃業が続出する状況下、地理的 なハンディや資金的な制約を克服し、技術と経営のバランスをとりながら、小 さな企業の特性を生かしたアイデアで全国ブランドにしたノウハウ、これは MOTが目指すべき目的の参考になる、との印象を持ちました。               (山口大学大学院技術経営研究科 河村 栄) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━               技術経営箚記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ======================================================================  内田和成『仮説思考』  (2006年、東洋経済新報社、ISBN:4925555552) ======================================================================  小職を含めて実務家出身の教員にとっては、自らの現場経験をいかに体系化 して臨場感を持って説明することが出来るかどうかで講義の満足度を大きく左 右する、というのが私の持論である。社会人を対象にしたMOTにおいては、 特に重要ではなかろうか。著者の前職であるコンサルティング会社の出身者に よる著作には、ビジネスマンが日々会社で迫られる戦略的意思決定に必要な “気づき”を与えてくれるものが多いが、仮説思考については積極的な活用に より、スピーディーな戦略実行には必要であるとは誰もが思いながらも、リス ク回避のために必要以上に分析に時間をかける日本企業の弱点が克服できると ものと確信するものであった。コンサルタント出身者が実務家教員に増えてい るのもなるほどと、あらためて感じさせられた一冊である。               (山口大学大学院技術経営研究科 大田研一) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━               MOT関連情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ====================================================================== ◆ 広島大学 新技術説明会 (東京) ======================================================================  主 催: 広島大学、科学技術振興機構  日 時: 2006年5月19日(金) 10:30〜16:30  会 場: 科学技術振興機構 東京本部 JSTホール(地下一階)  参加費: 無料(事前登録制)  詳 細: http://jstshingi.jp/hiroshima/ ====================================================================== ◆ 第10回慶應イノベーションネットワーク  (東京) ======================================================================  主 催: 慶應義塾大学知的資産センター  日 時: 2006/5/24(水) 13:00〜15:00  会 場: 慶應義塾大学三田キャンパス 東館6階「G-SEC Lab」  参加費:無料(事前申込制)  内 容:   慶應義塾大学で創出された介護・リハビリ関連技術について、研究者自ら   プレゼンテーションを行い、わかりやすくご紹介します。  詳 細:     http://www.ipc.keio.ac.jp/exhibition/network-info2006.5.24.html ====================================================================== ◆ 科学技術振興調整費人材養成プログラム特別講演会 (東京) ======================================================================  正式名称:平成18年度科学技術振興調整費「ライフサイエンス分野知財評価       員養成制度」人材養成プログラム第1回特別講演会  主 催: 東京医科歯科大学知的財産本部  日 時: 2006/5/26(金) 18:00〜19:30  会 場: 東京医科歯科大学1号館9階特別講堂  参加費: 無料(事前申込制)  問合せ: 東京医科歯科大学知的財産本部人材養成プログラム係       TEL 03-5803-4739, FAX 03-5803-0286, chizai.prog@tmd.ac.jp  詳 細: http://www.tmd.ac.jp/tlo/program/kouen.html ====================================================================== ◆ 第5回産学官連携推進会議 (京都) ======================================================================  主 催: 内閣府、総務省、文部科学省、経済産業省、       日本経済団体連合会、日本学術会議  日 時: 2006/6/10(土)10:00〜18:00(交流会18:30〜20:00)       2006/6/11(日) 9:00〜12:00  会 場: 国立京都国際会館  京都宝ヶ池プリンスホテル(交流会)  詳 細:       http://www.kansai.meti.go.jp/2giki/ivent/suisinkaigi-5.html ====================================================================== 【注1】このメールマガジンは,中国地域MOTコンソーシアム関係者に配信     しています. 【注2】上記以外の方には,登録いただいた方にのみ配信します. 【注3】メールマガジンの配信登録を希望される方は,     office@chugoku-mot.orgにご連絡下さい. ======================================================================  ▼ ご意見ご希望は,下記までご連絡ください.    E-mail: office@chugoku-mot.org **********************************************************************    ☆☆   中国地域MOTコンソーシアムメールマガジン   ☆☆      発 行 :中国地域MOTコンソーシアム事務局 (Chugoku MOT Consortium)        〒755-8611 山口県宇部市常盤台2-16-1 D講義棟4階             山口大学大学院技術経営研究科             TEL:0836-85-9876 FAX:0836-85-9877       http://www.chugoku-mot.org/ **********************************************************************